企業カルチャー、それは会社のDNAとも呼べるものであり、これ無くして企業がビジネスで成功を収めることはまずあり得ないでしょう。
あの有名なピーター ・ドラッカー氏の有名な著書 ”Culture eats strategy for Breakfast” (すごいタイトルですが、直訳すると”企業カルチャーは戦略を餌食にしてしまう” )ではいかに企業カルチャーがビジネス戦略を推し進める原動力となっているかを語っています。
逆に言えば企業カルチャーによって戦略的に目標を達成させることもできれば、見事に戦略が大失敗に終わってしまうということもありうるということなのです。
なぜなら、戦略をサポートするのは、企業カルチャーだからです。
企業カルチャーは良きにしろ悪にしろ、人々が同じ目的をもったグループまたは集団として形成された時、そこには目に見えない暗黙のルールや信仰が出来上がってゆき、人々がそれに従って順応していくと、やがてそれは集団の行動にも反映されていきます。そのような共通認識がやがてその集団のベースとなっていき、それが後々企業カルチャーの様々な側面に影響を与えていくのです。
ここで、よく耳にするお話をしましょう。
コンサルティング業をしていると、”会社の成長に組織がついていっていないから企業カルチャーを立て直さないといけない” ”セールスも順調に伸びてきて、ビジネスも安定してきたので、次は組織とカルチャーの強化をしていきたい” またはシンプルに ”カルチャーを変えていきたい”等々の相談を受けることがあります。
お話を重ねていく中で、ある事実が判明しました。
なんと驚くことに、ほとんどのビジネスリーダー達は、企業カルチャーがいつからできているかを気づいていないのです。
冒頭でもお話したように、人々が同じ目的を持ったグループまたは集団として形成された時からカルチャーは作られ始めるのです。このタイミングは多くの場合、企業の創業時にまで遡る必要があるでしょう。
この創業時に将来のビジョンに合わせて企業カルチャーづくりに注力していることができていれば、こんなに悩むビジネスリーダー達も少なくなっていたに違いありません。
なぜならば、DNAともいえる企業カルチャーは一度出来上がってしまうとそう簡単に変えることはできないからです。
じゃあなぜ、最初から企業カルチャーにもっと注力しなかったのでしょうか?
答えは簡単です。多くの企業が創業時はセールスにフォーカスして販路開拓、収益増大していくことが最大優先事項だからです。
その結果、企業の優先事項と社員達の優先事項が噛み合わなくなり、社員はコンフォートゾーンに入リこみ変革に対応できるマインドが育っていかず、今までのやり方を主張し、変革に対し真っ向から逆の姿勢で挑んできたりもします。これを変えていくための労力、コストと時間たるや、ご想像の通りです。これはビジネスにとって非常に大きなチャレンジとなってかえってきます。
逆にいうと、社員数がたとえ少なくても将来的なビジョンに合わせた企業カルチャーづくりに少しでも注力することによって、社員のマインドセットは正しい方向へ向いていき、ビジネス戦略を推し進める強力な原動力となり、更なる成長に拍車をかけていくことで、サステイナブルなビジネスの成功へと導いてくれることになるのではないでしょうか。
みなさんの組織は大丈夫ですか?遅くなる前に一度確認してみてください。
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